リーディング企業情報

中日本ダイカスト工業株式会社

http://www.nakanihondc.co.jp/

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所在地 岐阜県各務原市
障がい者雇用数 11名
事業内容 自動車用部品、ガス器具部品などのダイカスト部品製造
障がい者の
業務内容
  • 床洗浄

県内でも有数の工業地域である岐阜県各務原市は、産業分類別事業所数(平成26 年度各務原市統計)で、機械製造業や金属製品製造業が上位を占めています。なだらかな山と田畑が広がる工業団地の一角にある、自動車部品製造を行う中日本ダイカスト工業株式会社を訪ねました。
製造の品質・技術や雇用に関する受賞歴も多く、障がいのある11 名の方が就労しています。
社員が働きやすい土壌はどのように育まれたのでしょうか。
2017年12月に入社された渡辺哲史さん、経営企画室総務課 課長の今西雅章さんにお話を伺いました。

人間関係づくりにつながる「こまめな情報の交通整理」

「『今度はつまずくわけにはいかない』という強い思いがありました。

渡辺さんの雇用に至った経緯について聞いてみました。
渡辺さん:
岐阜県発達障害者支援センターのぞみでサポートを受けて半年程経過した時期に、のぞみの職員さんから岐阜障害者職業センターを紹介していただきました。3ヶ月間の職業訓練を受けたのち、現職の紹介があって就労に至っています。メインの業務は工場内の床洗浄や事務補助ですが、最近では鋳造部に入ったり、コンプレッサーのチェック管理や製品を作る作業もしています。
長尾室長:
もともと床洗浄専任の募集でしたが、イメージ以上に仕事ができる方が来られてこの業務での採用を悩みました。
渡辺さんは入社したいと言ってくれていましたし、付加的に業務を増やす方針で雇用となりました。床洗浄機は通常フル充電で2時間使えるところを、渡辺さんが使うと倍の時間使えます。彼は効率の良い使い方を自分で工夫していて、ちょっとしたメンテナンスもできるんですよ。
渡辺さん:
先輩方は事務作業に徹していますので、私が自由に動き回れることを活かして色々な仕事をさせて欲しいとお願いしています。
お客様をお迎えするにあたり、エントランス等、目に触れる部分は印象に関わります。自分でできることであれば綺麗にしておきたい。
会社に好印象を持っていただけることが大切だと考えています。

入社当初から現在の働き方でしたか?
渡辺さん:
入社前、障がい者チャレンジトレーニング制度(※1)による2週間の職場体験実習がありました。実習中は工場の床洗浄業務のみ、勤務は9 時~16 時です。入社後は週5日間、1日8時間の勤務を続けています。仕事は楽しいですよ!
本当に幸せですね。お世辞ではなく、長尾室長や、今西課長、部署の仲間に理解を得られていることが非常に大きいと思います。強く意識したのは《スタートでつまずかないこと》です。上司との関係性は長年の悩みで、「今度はつまずくわけにはいかない」という強い思いがありました。そこで実習が始まる前に「今西課長とこまめに情報共有・報告する形をとらせて欲しい」と私から要望をしました。実習でのコミュニケーションの形が入社後の人間関係づくりにつながっています。コミュニケーションが取りにくいまま関係が進むと、修復するのはとても難しいんです。拙いなりにも自分から意思表示することを心掛けていました。

就労して間もない時期に苦労されたことはありますか。
渡辺さん:
私の特性によるものですが、きちんと身支度してから出かけないと落ち着きません。
最初はペースがうまく掴めず、どうすれば遅刻しないで出勤できるかを試行錯誤していました。今は、帰宅したらすぐ夕飯を食べて20 時頃に寝て、朝4時に起き、家事をしてから出勤します。できるだけ疲労を回復させて、効率のいい状態で仕事をするための工夫ですね。私にとっては1時間もまるで10 分しかないような感覚で、1日、1ヶ月、1年があっという間に過ぎていきます。
楽しくて幸せだというのは、それだけ充実しているからだと思います。

業務に集中しすぎてしまうことはありませんか?
渡辺さん:
それはあります。ただ、私の仕事は単独で行うことが多い為、時間配分や休憩、突発的な業務を自分で調整することができます。
今西課長:
渡辺さんが現場に出ると、他の社員から「あれもやって、これもやって」と言われると聞いて。機械に触れると怪我に繋がる危険性もあり、やってはいけない作業もあるので、現場からの業務依頼は「必ず私を通して私から指示を出す」というスタイルを取りました。
渡辺さん:
今西課長とは細かく情報共有をさせて頂いています。PHS(連絡用の携帯電話)を持たせてもらい、現場からそのまま今西課長や長尾室長へ情報共有します。突然のトラブルに対しても早く対応できます。
今西課長:
私からのSOS も出します(笑)

お二人のやり取りを見ることによって、他の社員さんも渡辺さんとの関わり方を知っていくわけですね。情報の交通整理ですね。
渡辺さん:
障がいのある方は自信を失い、どうしても自分から言い出しにくい方が多いと思うのです。私もそうでした。だからこそコミュニケーションを重視した体制を作っていただいています。

※1:岐阜県独自の取り組みで最長10 日間の職場体験実習。実習先事業所には謝金、実習生には手当が支給される。

安心して働けるコミュニケーション支援

「相手がSOS を求めた時にきちっと答えていく。安心感と信頼関係が生まれます。」

現在は11 名の障がい者雇用をされていますが、雇用体制づくりのきっかけを教えてください。
今西課長:
障がい者雇用は2015 年頃からスタートしています。以前は、働いている社員の中で怪我や内臓疾患によって障がいを持った方で雇用率を満たしていましたが、社員も高齢化によって退職していきます。そこで採用からの障がい者雇用を考え始めました。それまで私はベトナム人研修生の担当者だったんです。
2003 年から延べ150 名の研修生を受け入れました。研修生さんは最初の頃「不安感」を持っているわけです。土曜も日曜も関係なく「すいません、今西さん来てください」と連絡が入る。
そんな中でも《相手がSOS を求めた時にきちっと答えていく》ことで、安心感と信頼関係が生まれていきます。弊社は外国人研修制度をやめることになりましたが、当時は結構大変でしたね(笑)それから障がい者雇用の担当者となり、もう1名の社員と2人で「障害者職業生活相談員(※2)」を取得してから採用を始めました。一度に採用すると現場も大変ですので、採用して定着したら次の雇用を考えます。やはり大切なのは相手との信頼関係です。働いている方が何か不安を感じていて「いざという時、今西課長に言えばなんとかなる」という状態を作っておけば、安心感を持って働いてもらえる。コミュニケーションできる関係をしっかりと作っていったことが、結果的によかったのかなと思います。
渡辺さん:
本当に、それが全てです。私の場合は現場に出てしまうと、部署の先輩方と一緒に仕事をする機会がなかなかありません。
朝礼やお茶会の時に、長尾室長や今西課長へ報告・相談をしたり、仲間と他愛もない話をします。こまめなコミュニケーションに効果があると感じています。
長尾室長:
お茶会は、ここ2~3年のことですね。経営企画室では「共有部分の清掃」というのがあります。以前は建物内の共有部分の清掃を業者委託していましたが、社長から「このぐらいのことは自分たちでやりましょう」と提案があって自分たちで清掃を始めました。上司も部下もみんなで、食堂や通用口通路や医務室、廊下や階段など共有部分を清掃します。だいたい40分ほどで終わるので、その後に食堂でお茶をしながら会話する時間があります。毎日の朝礼では、各々の本日の予定や連絡事項等を情報共有します。

頼れる就労支援機関が必ずあります

「相談する相手がいない。仕事をしたくてもできない。本当に孤独でした。」

現場での様子も拝見して、他部署の方と気軽に挨拶されている姿が印象的でした。
渡辺さん:
何もかもがらっと変わりましたね。就労する以前は孤立していました。睡眠障害を患い仕事をしたくてもできない。相談する相手もほとんどいない状態で、精神的に不安定な時期は本当に孤独でした。人生ギリギリ、本当にダメかもしれないと悲観的になっていく。その反面、「まだまだやれる、やりたいこともある」という自信や想いもあって、どうやって社会復帰していくかをずっと考えていました。あるとき、新聞記事でひきこもり支援をしているNPO 法人の存在を知り、代表の方に「自分の話を聞いて欲しい」と会いに行きました。その場にたまたま行政職員の方がいらしていて、その日のうちに相談に行き、現在に至っています。その時に出会った人とのつながりは今も続いています。日々、楽しく幸せで充実している手応えを感じています。

一歩踏み出すことをためらっている方へお伝えしたいことはありますか。
渡辺さん:
私も実は行動できないほうです。歳を重ね、ギリギリの状態に追い込まれたからこそ気づけたのだと思います。今でも時々、自分は役に立たないのでは?と悲観的になることもありますが、それでも「これで終わってなるものか、なんとかクリアしたい」という可能性や希望もある。「とりあえずやってみて、それから結果を見て、対策を相談しよう」と考えるようになりました。

※2:5 人以上の障害のある従業員が働いている事業所では、「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、厚生労働省が定める資格を有する従業員のうちから障害者職業生活相談員を選任し、職業生活全般における相談・指導を行うよう義務づけられています。
引用:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構|http://www.jeed.or.jp/disability/employer/employer04.html

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