リーディング企業情報

株式会社 デリカスイト

http://www.delicasuito.co.jp/


株式会社デリカスイト


後方左から 後藤総務部長、小岐須店長
前方左から 傍島さん、船田さん、飯沼さん


中央 商品の盛り付けを行う傍島さん

所在地 岐阜県大垣市加賀野
障がい者雇用数 6名(精神障がい者:5名|身体障がい者:1名)
事業内容 惣菜、寿司、米飯等の調理・製造小売販売
障がい者の
業務内容
  • ドリンクの補充と店内の清掃
  • 調理
  • 検品・品出し
  • レジ業務

「美濃味匠」(みのみしょう)といえば、岐阜に暮らす人にとっておなじみのお惣菜屋さんではないでしょうか。岐阜県民の暮らしに根ざした食を提供しているのが、大垣市に拠点を構える株式会社デリカスイトです。今回は精神障がいがある社員として勤務している、傍島隆志さん、飯沼隆宣さん、船田裕司さんと、ファミリーマートアスティ大垣店 店長の小岐須孝之さん、総務部長 後藤誠生さんの5名にお話をうかがいました。
1つのチームとしてお互いにサポートしあう皆さん。精神障がいのある方の雇用について多くのヒントを語っていただきました。

「みんなが活躍できる」お互いを理解しあう環境整備

「1名しか雇用していなかったら、かえって難しかったかもしれない。」

同じ配属先に3名雇用することになったきっかけを聞かせてください。
後藤総務部長:
弊社は大垣駅前のファミリーマートアスティ大垣店をフランチャイズ営業していて、繁盛店のため専属で仕事を任せられる環境にありました。
そこで、「西濃障がい者就業・生活支援センター(※1)」にご相談したのが5年ほど前になります。最初にドリンクの補充専門で傍島くんを雇用しました。次の採用はカウンターフーズ調理専属で飯沼くん、その後に船田くんを雇用しました。
全員が短時間雇用から始めて、今では全員平日9時~18時のフルタイム勤務です。土日の出勤もたまにありますが、大垣駅前の店はウィークデーの方が忙しいので、ほとんど同じ時間帯で3人一緒に働いています。

短時間からフルタイム勤務に至るまでに、どのぐらいかかりましたか?
後藤総務部長:
みんな1ヶ月かからないぐらいでしょうか。体調によって本人に任せていましたが、30分~1時間プラス、4時間半、5時間と徐々に伸ばしていきました。同時に、フルタイムになっても「もう時間短縮できない」とは伝えませんでした。勤務時間や休日の調整を繰り返しながらですね。

では、それぞれご担当の業務を教えてください。
傍島さん(勤続5 年):
ドリンクの補充と店内の清掃です。僕はもともと裏方だったので、はじめは接客がとても苦手でしたが掃除業務をやるようになってから、お客様に声をかけられて商品を探すこともありました。
飯沼さん(勤続4年):
最初に任されたのが調理で、時間のある時にドリンクの前出し、品出しもやります。いちばん忙しいのは早朝と夕方の時間帯ですね。
船田さん(勤続3年):
先に就労していた飯沼くんに付いて、フライヤーの仕事からスタートしました。さらに検品・品出し、最終的にはレジもやるようになりました。僕も接客が苦手で、はじめはレジ業務に抵抗がありました。でもお客さん相手の商売なのでやらなきゃいけないと思って取り組みました。
小岐須店長:
お店にいる以上はどうしてもお客様から声がかかります。「無理して答えない・だれかを呼んで助けを求める」この2つを徹底しました。船田くんは「褒められて嬉しい」という経験が積み重なって、接客もやり始めた感じです。

この仕事をやっていてよかったと思うことはありますか?
船田さん:
その場でお客様に喜んでもらえることですね。自分はたいしたことをやっていないのに「ありがとう」と声をかけてもらえます。
飯沼さん:
夕方は、サラリーマンや学生さんがお店にたくさん来店するので、賑やかで店内の雰囲気がよくなります。僕はあまり人見知りしないこともあって嬉しかったですね。ただ、急に忙しくなって仕事のペースを早めなきゃいけない時は大変でした。
傍島さん:
僕はコンビニの裏側が知れたことです。コンビニは店舗ごとに違っているので、仕事終わりに新しい商品を買ってみることもあります。

傍島さん、飯沼さん、船田さんが同じ場所で働くことによって、他の社員さんに変化はありましたか?
後藤総務部長:
彼らを雇用する前にどんな方が入るのか、スタッフへ十分に説明する機会を設けました。あたたかく迎えてもらったのではないかと認識しています。やはり本人たちの意思だけでは続かない。一緒に働く仲間の理解がなければ続きません。一緒に仕事をしてみれば、彼らは戦力になっていると分かります。だからスタッフの理解を得やすかった面はありますね。
小岐須店長:
マネージャーとして、とにかく「彼らが一番いいパフォーマンスを発揮するためには?」を考えました。そのために必要な手順の説明、事前の準備など、彼らが困るであろうストレス要素をなるべく取り除いて仕事に専念できるようにしました。また、駅前の店舗は少し変わっていて、多い時で50人ぐらいのスタッフが所属しています。何よりも店舗内や仲間の中で「お互いの会話を増やそう」と心掛けましたね。もし誰か1名しか雇用していなかったら、継続的な障がい者雇用はかえって難しかったかもしれません。

※1 西濃障がい者就業・生活支援センター(運営法人:社会福祉法人あゆみの家)障害のある方の就労や生活に関する相談・支援機関。 岐阜県内5圏域6ヵ所の就業・生活支援センターが配置されている。

「考えた上で行動に移す」自分たちで工夫する取り組み

「障がいをオープンにして働くことで気が楽になり、理解してくださる方にも出会えた。」

仕事をしやすくするために、自分なりの工夫や方法はありますか?
船田さん:
僕はコミュニケーションを円滑にするために「おはようございます・ありがとう・ごめんなさい」をしっかり言うようにしています。あとは困ったときに「自分で何とかしよう」ではなく、とにかく助けを呼び相談することですね。20代の頃は自分で全部抱えてしまいがちでした。障がいを伏せて働いていて、理解を得られずに結局つぶれてしまって。障がいをオープンにして働いてみて気が楽になりました。薬を飲むことひとつ取っても問い詰められないし、「そういう病気があるんだね」と理解してくださる方にも出会えた。
飯沼さん:
僕は整理整頓することですね。5S(※2)を意識して要らないもの以外はしまうこと。自宅でもやっています。元々好きではなかったけれど、整理整頓ができていないと、大事なものが出てこないし仕事も遅くなります。だから気をつけています。
後藤総務部長:
飯沼くんは必ずメモを取る習慣がついています。メモと電話帳を自分で作っています。
傍島さん:
僕はドリンクの後ろの棚の在庫をなるべく見やすくしようと思って、置き方を工夫しました。
小岐須店長:
彼らも最初の頃は指示待ちだったんです。少しずつ「考えること」を促してきました。考えた上で失敗するのは仕方のないことです。むしろ何もしないことを注意しましたね。そこから自分たちで工夫するようになっていきました。

※2 5Sとは、主に製造業やサービス業などで用いられる、職場環境の維持・改善のためのスローガン。整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つの言葉のローマ字の頭文字Sをとって5Sと呼ばれている。

個性を見極めながら関わり合う

「職場が変わることは大きなストレス。でも“3人一緒なら”と考えた。」

駅前の慣れた職場環境から、一時的に勤務場所が変わりました。そこでも新たな悩みがあったのではないでしょうか?
後藤総務部長:
会社としてもすごく迷ったんです。彼らにとって、職場が変わるって大きなストレスじゃないですか。ただ、改修工事中の8ヶ月間全く休んでしまうと築いてきたペースが崩れてしまう。「3人一緒になら上手くいくのでは」と考えました。結果は、僕らの想像以上に適応力があって、すんなり新しい業務に入ってもらえました。
船田さん:
製造工場では、釡で煮物を作るのと商品を真空パックする仕事の掛け持ちです。最初はやっていけるのかとても不安でした。でも色々な方がフォローしてくださって、今は「みんながいればなんとかやっていける」と思っています。やっぱり一人で抱えないことが大事ですね。
傍島さん:
コンビニでは、食品といっても加工されたものを提供していましたが、自分たちで作るのは初めてです。グループで作業することもあまり経験がなかったので、よかったと思います。
後藤総務部長:
傍島くんは機械に触れるのが嬉しいんじゃないかな。機械が好きでパソコンも自作します。
飯沼さん:
僕は駅前の仕事と同じぐらい良いです。こちらでは、おはぎの製造や包装を担当しています。同じ姿勢で作るので体は痛くなりますが、お客様が買われることを想像すると、仕事が終わった後に満足感があります。

積み上げてきた障がい者雇用のノウハウや文化を社内で引き継いでいくために、取り組まれていることはありますか?
後藤総務部長:
やり方がたまたま彼らとマッチングしているのかなと思いますが、今の対応がベストだとも考えていなくて。障がい者雇用については現場に依頼をしますが、私は直接入り込みすぎないようにして、できるだけ現場の社員が関わるようにしています。

現場に対しても「自分たちで考えてやってみる」という姿勢で、信頼してお任せしているということですね?
後藤総務部長:
3 人に対しては直接の関わりが多いんです。何気ない会話やLINEのやり取り、プライベートでも食事に行ったり、みんなでバッティングセンターに行ったりします。なるべく誘いはしますが強制はしないように。こうした付き合いをしてくれているうちは、上手くいくのかなと思っています。社外での付き合いがストレスになる方もいらっしゃいますから、同じ方法を他のところに持ち込んでも適切かどうか分からない。この3人だからと思っています。

障がい者雇用に取り組む企業へのアドバイス

「仕事を手伝いながら話を聞く。悩んでいるスタッフを独りにしないこと。」

働いている中で、困ったことや乗り越えてきたことはありますか。
傍島さん:
担当しているドリンクの補充業務で、自分で考えた最適解を作ってきっちり置くようにしていました。そのことで他のスタッフと意見がくい違うこともありました。
小岐須店長:
彼に極力伝えてきたのは「相手をもっと受け入れて許そう」ということです。自分と全く同じ人はいないこと。失敗は誰にでもあること。ミスを見つけたらそっと直してあげればいい。いちいち人に怒ってしまう時は、人に当たるのを少しずつやめていこうと繰り返し伝えていきました。
傍島さん:
今は、相手にあまり言わないでおこうと思うようになりました。
後藤総務部長:
傍島くんが自分で納得をしていくために「そういったことがあった」と僕らに言うことで発散できていた部分もあったのかなと思います。
小岐須店長:
そういうことがあっても、傍島くんが「仕事に行きたくない」と言ったことは全然ないんです。
後藤総務部長:
傍島くんの担当は冷蔵室で、一日気温の低いところで仕事しています。一番体力、気力のいる仕事です。健常者でも体調が悪くなることはありますよね。 ですから、「絶対に我慢しないように」と伝えています。 あとは、よく「障がいは個性」と言いますが、主張していい個性とそうではない個性があると思うので、そこはしっかり伝えていますね。
また、スタッフが悩んでいる時などに、店長は話を聞きながら一緒に作業しています。悩んでいるスタッフをなるべく独りにしないことですね。

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