リーディング企業情報

ダイキャスト東和産業株式会社

http://www.dc-towa.com/


梶田さんは事故で右上肢が不自由に。
その後フォークリフト運転技能講習を受講し活躍中。


「障がい者雇用が定着してからは、現場からさまざまな声がフィードバックされるようになってきた」と話す纐纈さん。


プレスマシンのオペレーターとして活躍する紀藤さん。
帽子についた汚れが、日々のがんばりを表しています。


中村さんの仕事は製品を出荷箱に詰め替える作業。
勤務時間も、一般従業員と同様です。

所在地 岐阜県多治見市
障がい者雇用数 6名
事業内容 非鉄金属ダイカスト鋳造業
障がい者の
業務内容
  • 出荷準備
  • フォークリフト操作

障がい者雇用が、社員一人ひとりの意識改革に

障がい者雇用は企業のトータル力も上げる

 大正15年に創業以来、非鉄金属ダイカスト鋳造のパイオニアとして歴史を築いてきたダイキャスト東和産業株式会社。現在、多治見と恵那に工場を展開し、約210名の従業員で月に600万個ほどの製品を生み出しています。

 ここで活躍する障がい者は精神障がい者1名、知的障がい者2名、身体障がい者3名の計6名。自らのもつ力を最大限に活かせる部署を話し合いなども交えて決定し、一般社員に混じって活躍しています。
 同社が障がい者雇用に改めて着目し始めたのはこの10年ほど。その中心となっているのが、12年前に銀行を退職し、同社に転職した総務部門部長の纐纈さんです。企業の成長に伴って社員が増員する中、高いトータルクオリティマネジメント力をもつ組織づくりの一環として、障がい者雇用の環境づくりを進めてきました。

より円滑になった社内のコミュニケーション

 「私が入社してきたころは、障がい者であっても障害者手帳を持たない社員もいたので、まずは手帳を取得するところからスタートしました。こうした認定があれば、企業として残業などに配慮することもできますし、公表することでほかの社員もそれを理解することができます。社員全員が不平等感なく働ける環境づくりは大切だと思います。
 障がい者雇用を進める中、社員同士のコミュニケーションもより円滑になったと感じます。こうした流れの中で、組織の指示系統もはっきりしてきましたし、組織力自体も高まったと感じます。
 健常者も障がい者も、こちらが心を開けば相手も心を開いてくれます。本音を言いやすい、相談しやすい環境づくりにも努めてきました。こうした風潮が、社員全体の定着率向上にもつながっていると思います」

現場長の理解を得て長期で働ける環境づくりを

 ダイキャスト東和産業では多品種少量生産を特長にしていることもあり、部署や業務内容も多岐に渡ります。こうした中で障がい者の配属をどう決めているのか、そのプロセスも纐纈さんに伺いました。
 「障がい者雇用を推進するには、経営者はもちろん、現場の課長や係長クラスの理解を得ることが重要になってきます。現場からは、慣れないことに対して難色を示されたこともありますが、『こうした人の管理は、長としての重要な仕事の一つであり、それが会社の成長もにつながる』ことを理解してもらえるように話し合いを重ねました。
 障がい者自身とも話し合い、個人の特性や長所を最大限に活かせる部署に配置しています。働いていただくからには、定年までがんばっていただきたいですからね。
 最初から上手くいった訳ではありませんが、試行錯誤した結果、現在では潤滑に現場がまわっていると思います」

本音をぶつけることで信頼に。「何でも言い合えるのがいい」

 実際のお仕事の現場を取材させていただき写真撮影をお願いしても、どの部署も明るい雰囲気。
 「12年くらいこの会社に勤めています。ここは何か問題が起きても、上司に言いたいことが言えるのがいいです。お互いがわからないままだと、不安になってしまうから」
こう話すのは、知的障がいがある中村さん。
 てんかんの症状がある紀藤さんは、入社してから障害者手帳を取得した一人。「上司が言ってくれた、肩肘をはらずに働いていけばいいんだよ。という言葉が嬉しかったです」
 また、右上肢に障がいのある梶田さんは「いろんな仕事に挑戦させてもらえるのがいいですね。休日も気の合う仲間で釣りに出かけたりと、仲が良いです。皆で支え合っている感じはありますね」と明るく話します。

 何でも相談し合え、お互いが信頼できる環境づくりは、同社の組織自体をより強固なものにしているようです。

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