リーディング企業情報
丸玉工業株式会社
ビジョンを語る山下さやか取締役
所在地 | 岐阜県岐阜市中鶉 |
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障がい者雇用数 | 19名 |
事業内容 | 高級・サービス用紙袋、傘などの製造販売 |
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障がい者の 業務内容 |
紙袋の製作 |
強い意志が原動力「障がい者も日本経済を支える」
会社全体に表れた障がい者雇用のプラス面
全国のショップやイベントで配られる高級・サービス用紙袋に加え、傘などの製造販売を行う丸玉工業株式会社。創業以来、授産施設などへ作業を発注してきましたが、より早く正確に顧客の要望に答えたいと、昨年就労継続支援A型事業所「丸玉ウェル」をグループ内に設立しました。
取締役の山下さやかさんは、障がい者雇用のプラス面についてこう話します。
「色々なことが“なあなあ”でした。重要な行程でも確認がないままなんとなく仕事が流れ、ミスが起きても責任者すらあいまいになっていたのです。」
ところが、知的・精神障がい者の方と一緒に働くと“なあなあ”では回らなくなりました。作業を明確にし、分かりやすく指示する必要があったといいます。
「結果、あいまいさがあぶり出され、本社のミスが激減しました。それまで、担当者しか分からなかったことが、誰でも分かるシステムに成長したのです。」
職人の技を身につければ充分に採算がとれる
障がい者の業務について、山下さんは新しいビジョンを次々に描いています。
「made in Japan の仕事を増やしていきたい。小さな紙袋や大きな紙袋は、何十万袋の発注は来ませんが、それでもかなりの数が必要です。でも、そのサイズを折る職人さんが減ってしまい、東海地区も高齢の女性が数名だけ。その方達も引退されてしまいます。」
障がい者が技術を持った職人に育ち、それらの少量生産商品を作ることができれば、時間給に換算しても充分に採算が取れると言います。その上で、「それを出来るようにしていくのは、経営者や企業の努力ですね」と気を引き締めていました。
「障がい者も日本経済を支えていく」と語る山下さん。障がい者への強い思いが、短期間での障がい者雇用成功への原動力になっていました。
清流のジョブコーチ〈職場適応援助者〉
出来ない事を減らすのは企業の役目
丸玉工業株式会社 取締役 山下さやか さん
障がいの無い社員と共に機械の調整も行う
夫婦で受けた養成研修 それぞれの得意分野を活かして
山下さんは、社長でもあるご主人と共に職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修 に参加し、そろって資格を取得しました。
─ ご夫婦で養成研修を受けた感想は?
影響が大きいのは実は主人なんです。
もともと物作りがとてもうまいので“出来ないことを出来るようにする道具”を、うちの仕事に合わせて作ってくれます。
現場を分析して、仕事に必要な動きとか流れとかも考えてくれています。
私の役割は、全社員のお母さんでもありますから、作業の部分は主人に任せて、人を育てていく方にシフトさせてもらっています。
こんなふうに二人でやっていけることが、夫婦どちらも資格を取って良かったなと思うところです。
出来ない事を責めない 養成研修で起こった意識改革
─ 養成研修の前後で意識の変化は?
障がいのある社員だけでなく、全社員に対する接し方が変わりました。「出来ないことを出来るように変えることが、私達の役目」と意識するようになったからです。
例えば、一日に何百ケースと出荷する中で、時には商品間違え、伝票の打ち間違え等が起きます。その時「間違えないようにしなさい!」と叱るより、「どうしたらミスが起きないか」を先に考えるようになり、その原因と予防策を考えてから話をするようになりました。
「こういうふうにやってみて」と言ってあげられる。それで失敗したのなら、私の責任。
これは大きな意識改革になりました。
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- 株式会社金田洋鋏製作所
- 介護老人保健施設 カワムラコート
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- 株式会社サン・シング東海
- 株式会社 テクノ・ライン
- 東和組立株式会社
- ナブテスコリンク株式会社
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- 美濃工業株式会社
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