リーディング企業情報
株式会社金田洋鋏製作所
同社で製造する、プロ用美粧用鋏
仕上げのほとんどが手作業
金田洋鋏製作所の取締役社長、金田尚之さん
所在地 | 岐阜県関市 |
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障がい者雇用数 | 1名 |
事業内容 | 刃物製造 |
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障がい者の 業務内容 |
ハサミ製造の最終工程 |
障がい者の可能性を、もっと社会に生かしたい!
特別支援学校の取組みにサポーター企業として参加
関市にある「金田洋鋏(かねだようばさみ)製作所」は、理美容師やメイクアップアーティストなどが使う美粧ハサミを主に製造販売するメーカー。昭和20年の創業以来、職人たちがその技を受け継ぎ、プロ用ハサミなど高度な技術が必要とされる製品をつくりだしています。
同社では平成23年から、特別支援学校と企業が一体となって就労支援を進める「働きたい!応援団ぎふ」に登録し、企業内作業実習として毎年何人かの生徒を受け入れてきました。現在では障がい者を1人雇用しています。
こうした取組みに参加するきっかけとなったのは、同社社長の金田尚之さんが、以前所属していた関青年会議所を通してつながりのできた特別支援学校に、関市障がい者就労促進協議会の副会長として参画し、多くの生徒に接したことでした。
障がい者を理解することが就労支援につながる
「特別支援学校の生徒さんと会ううちに、挨拶はもちろん、一般的な作業がしっかりできる生徒さんも多いのに、“彼らの就職先がなかなか見つからないのはなぜだろう”と考えるようになりました。
結局、障がい者に対する知識が、まだまだ私たちに足りないのだと思います。障がい者と言っても、その個性はさまざま。もっと障がいをもつ方のことを深く知り、一人ひとりを理解することで、就労支援などの道も広がると思います。」と金田さん。
さらに「会社は営利団体ですから、障がいのあるなしに関係なく利益をあげてくれる人材を求めるのは当然のことです。でも、もっと広い考え方や方法があっても良いと思います。また送り出す学校側からも今以上に、各人が“得意とする個性のアピール”があると、より理解が深まるのでは。」と話します。
大好きなモノづくりを今の仕事に生かして
いま「金田洋鋏製作所」で働くのは河内勁太(かわうちけいた)さん(23)。特別支援学校の高等部時代、企業内作業学習で同社を訪れたことがきっかけとなり入社が決まりました。現在はハサミ製造でも重要な、複数の最終工程を任されています。
「河内君は高校生のころからやる気があり、この子ならきっといい仕事ができる、と確信できました。」と金田さんは当時を振り返ります。河内さんも「小さなころからモノを分解して組み立て直したり、何かをつくったりすることが大好きでした。今の仕事にはやりがいがあります。」と目を輝かせます。
入社後も、やる気と元々の根気強さで順調に技術を身に着けた河内さん。しかし、人付き合いがあまり得意でなく、社内の人間関係で苦労した時期もあったそう。技術の伝承にはマニュアルでは説明できない部分も多くあり、先輩とコミュニケーションが上手く取り合うことができず悩んだこともあったと言います。
「社長は、純粋に気持ちを受けとめてくれる人」と河内さん
刃先の調整は、最も気をつかう作業のひとつ
人間関係の難しさをクリアしながら、前へ!
当時、金田さんは人員の配置転換も考えたそうですが、河内さんは両親や姉にも相談しながら自身で問題を乗り越えました。
「他の人と一緒に仕事をやるのは難しいこともある。相手の気持ちがわからないこともあります。でも、今の仕事は自分のやりたいことだから、これからもがんばって続けたい!」と、前向きな姿勢を見せます。就職して約5年、今ではマイスターに近い技術を持つほどになりました。
金田さんはこう話します。「働ける力をもっているのに、“働けない”環境というのは、本人にとってもまわりにとっても“もったいない”こと。それぞれが皆、違う可能性をもっていると思いますが、その可能性を広げられる企業が、もっと増えればいいですね。私たちも微力ですが、がんばります。」
まずは「働きたい!応援団ぎふ」として障がい者就労支援の取り組みに参加したことが、河内さんとの出会いにつながった同社。
この“はじめの一歩”こそが、新たな可能性を広げたようです。
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2017年度
2016年度
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- 介護老人保健施設 カワムラコート
- 株式会社岐阜グランドホテル
- 株式会社サン・シング東海
- 株式会社 テクノ・ライン
- 東和組立株式会社
- ナブテスコリンク株式会社
- 丸玉工業株式会社
- 美濃工業株式会社
- 株式会社 和井田製作所
2015年度