リーディング企業情報

恵那東海理化株式会社

http://www.enatokairika.co.jp/


恵那東海理化株式会社 (恵那市)


障がいも個性のひとつと話す、人事の松尾さん


集中して仕事に取り組む渡辺さん


左から 山田さん、伊藤さん(知的障がい)、同僚の皆さん

所在地 岐阜県恵那市
障がい者雇用数 10名
事業内容 自動車のドアミラーやホイールキャップ等の製造
障がい者の
業務内容
  • 部品集め
  • 出荷準備

健常者以上の能力が、障がい者への考え方を変えた

チームワークを育む職場実習と新人研修の仕組み

 恵那東海理化株式会社はトヨタグループの一員として自動車のドアミラーやホイールキャップを製造しています。グループ唯一の高い塗装技術は、北米工場に技術提供を行うほどです。

 そこでこの度、人事グループ長の松尾さんにお話を聞きました。
 採用については、「現在障がい者雇用は10名です。採用活動は主に特別支援学校の実習から始まり、2年の時から本人の適性や職場との相性をチェック、3年の実習で最終確認します。採用後の配属なども、実習で十分に適正を把握しているためスムーズに行えます。」
 障がい者の新人研修については、「一般社員と一緒に、全く同じメニューを行います。同期の社員にはあえて何も伝えないものの、研修の中で必ず、自然と気づきサポートする社員が現れます。」
「障がいに関係なく、どんな仕事もチームワークで行うもの。サポートする姿勢は全体に良い影響を与えてくれます。」

障がいも個性のひとつ 特別扱いせず自立うながす

「特別扱いがないのは新人研修だけでなく、初任給や評価基準も同じ。障がい者と他の社員の間に差は設けないという考え方が会社の方針です。」
「ご家族との関係でも、親御さんが会社に来たり、何度も電話が掛かることもありますが、出来ると判断して採用したので、本人から伝えさせるようにお願いしています。」と社員の自立を期待したアドバイスをしています。

「健常者でもいろんな人がいますから、障がいも個性のひとつと見ればいい。“適材適所”は、健常者も障がい者も同じです。」
「考え方ですよね。障がい者を雇った事が無かったり、安全面を心配する職場でも、仕事を切り分けて雇用できるところがたくさんあります。」と松尾さんは言います。

障がい者の見方を変えさせたキーマンの「上を行く能力」

 知的障がいがあり、製造ラインの部品集めや、出荷準備の荷揃え作業をする渡辺さん。仕事中は「集中しているうちに時間が過ぎていく」と言う彼は、会社の障がい者に対する考え方を変えるキーマンでした。
 それまでは、トラックが頻繁に走る環境で安全面の懸念や、「予想外のことをするのでは」という誤解もあったそうですが、実際に入社すると、そんなことは全くありませんでした。
 松尾さんによると「健常者の上を行く能力がありました。するべき仕事が分かれば、こっちが心配するくらい頑張り、改善提案までできるようになった。真面目な態度は周りにも良い影響を与えてくれました。」
「彼のおかげで、職場も障がい者を受け入れてくれた。知識が無いと、一律に難しいと考えてしまうが、実際はいろんな方がいて、こちらが合う職場を提供できれば、十分な力を発揮できると思っています。」

改善提案の発表から広がった受け入れの姿勢

 課長の山田さんも「渡辺は、異動こそ無いものの、いろんな作業をずっとやってきて、所属内の仕事は一通り覚えてしまったぐらいです。仕事の覚えがすごく良い。記憶力がすごいです」と絶賛。でも渡辺さん本人に「記憶力に自信は?」と聞くと、小さな声で「ないです」と笑いを誘っていました。
 仕事ぶり以外にも、社内の意識を変えたのが、渡辺さんによる改善提案の発表でした。それから、他部署でも障がい者の方の受け入れが増え始めたそうです。

 松尾さんに、これから障がい者を雇う皆様へ伝えたいことを聞きました。「一度やってみることが一番ですね。当社も、まず採用してみて、結果が出たので次に踏み出せた。面談をしっかりして出来るところから始めていけば、広がっていくと思います。」

 固定観念にとらわれない一歩が、障がい者との良い出会いと、それによる会社の意識改革へ、大きく発展しました。

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